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夢をよく見る人と見ない人の違いとは?覚えている人・覚えていない人の科学的な差

夢を覚えている人と覚えていない人の差は、睡眠の深さや覚醒のタイミングにあります。

「自分は毎日のように夢を見るけれど、これって普通?」「ほとんど夢を見ない気がするけど大丈夫?」このように、夢の頻度について疑問を感じたことはありませんか?

実は、医学的には、夢をまったく見ない人はほとんどいないとされています。

睡眠中には誰もがレム睡眠を経験しており、その過程で夢は生じます。違いが出るのは、「夢を見ているか?」ではなく、「夢を覚えているか?」です。

では、なぜ夢をよく覚えている人と、ほとんど覚えていない人がいるのでしょうか?そこには、睡眠の深さや覚醒のタイミング、心理的要因など、いくつかの要素が関係します。

本記事では、夢をよく見る(覚えている)人と、夢を見ないと感じる(覚えていない)人の違いを、睡眠の仕組みから整理します。夢の頻度が気になる方は、ご自身の睡眠状態を見直すヒントとしてご活用ください。

十分な睡眠時間

もくじ

夢を見ない人は本当にいるのか?

睡眠に関する疑問や悩み

「自分は夢を見ない体質だ」と感じている方は少なくありません。しかし、睡眠医学の観点では、健康な成人であれば一晩のあいだに複数回のレム睡眠を経験するとされています。

まずは、夢と睡眠段階の基本的な関係を整理します。

レム睡眠と夢の関係

レム睡眠(Rapid Eye Movement sleep)は、脳の活動が活発になる睡眠段階で、この時間帯に夢が生じやすいことが確認されています。成人の場合、睡眠は約90分周期で繰り返され、1晩に4〜6回のレム睡眠が出現します。

そのため、生理学的には夢をまったく見ない人は基本的に想定されていません。

違いは「夢を見るか」ではなく「覚えているか」

夢の記憶は、起床のタイミングに強く影響を受けます。レム睡眠中、またはその直後に目が覚めた場合、夢の内容は記憶に残りやすくなります。

反対に、深いノンレム睡眠の段階から自然に目覚めた場合、夢の記憶は保持されにくいとされています。

このように、夢を見る頻度の差は夢の発生頻度そのものではなく、覚醒のタイミング睡眠の深さによる差で説明されます。

夢をよく覚えている人の特徴

寝つきと睡眠の質

「毎日のように夢を見る」「物語のように細かく覚えている」という人には、いくつか共通する傾向があります。

重要なのは、夢そのものが多いのではなく、夢を記憶に残しやすい睡眠状態になっている可能性があるという点です。ここでは、睡眠構造と脳の働きから、その特徴を整理します。

レム睡眠中に目が覚めやすい(覚醒タイミングの影響)

夢は主にレム睡眠中に生じやすいことが知られています。レム睡眠は一晩に4〜6回、約90分周期で出現します。

このレム睡眠の最中、あるいは直後に目が覚めると、脳内で処理されていた映像的・情動的情報が短期記憶に残りやすくなります。反対に、レム睡眠を経たあと再び深い睡眠に入ると、夢の記憶は消失しやすくなります。

つまり、途中覚醒がある人ほど夢を覚えている可能性が高いということです。

深い睡眠(N3)が短い、または分断されている

睡眠は、浅い睡眠(N1・N2)、深い睡眠(N3)、そしてレム睡眠で構成されています。深い睡眠は身体の回復に重要な段階ですが、この時間が短い、あるいは分断されている場合、睡眠全体が浅くなります。

深睡眠が十分に確保されないと、夜間の覚醒が増えやすくなり、レム睡眠中の記憶が保持されやすくなります。その結果、夢をよく見ると感じることがあります。

これは睡眠の質が低下している可能性を示すサインでもあります。

感情処理が活発な状態にある

レム睡眠は、記憶や感情の整理と関連しているとされています。強いストレスや不安、緊張状態が続くと、夢の中で感情的な体験が強調されることがあります。

感情を伴う体験は記憶に残りやすいため、印象的な夢を頻繁に見ると感じやすくなります。

特に、環境の変化や人間関係のストレスがある時期に夢が増えたと感じる場合は、心理的負荷が関係している可能性があります。

起床後の行動習慣が影響している

夢の記憶は非常に不安定で、数分以内に消失することが多いとされています。

起床後すぐにスマートフォンを見たり、強い光を浴びたり、急いで行動を始めると、脳は覚醒モードに切り替わり、夢の内容は急速に薄れます。

一方で、目覚めたあと数分間静かに横になっている習慣がある場合、夢の記憶を保持しやすくなります。そのため、「夢をよく見る人」は実際には「夢を覚えている時間が長い人」である可能性があります。

このように、夢をよく覚えている人には、睡眠の深さ・覚醒タイミング・心理状態・起床習慣といった複数の要因が関係しています。夢の頻度が気になる場合は、夢そのものよりも「睡眠の質」に目を向けることが重要です。

夢をあまり覚えていない人の特徴

睡眠の質に悩む人へ

一方で、「ほとんど夢を見ない」「何年も覚えていない」という人もいます。

しかし前述の通り、健康な成人であればレム睡眠は毎晩出現します。つまり、夢を見ていないのではなく、「記憶に残っていない」可能性が高いと考えられます。ここでは、夢を覚えにくい人に見られる傾向を整理します。

深い睡眠(N3)が安定している

深い睡眠(N3)は、身体の回復や成長ホルモン分泌と関係する重要な睡眠段階です。この時間が安定して確保されている場合、睡眠全体が連続的に保たれやすくなります。

深睡眠から自然に次の睡眠段階へ移行し、途中で目覚めることが少ないと、レム睡眠中の夢は意識化されにくくなります。その結果、「夢を見ていない」と感じることがあります。

これは必ずしも問題ではなく、むしろ睡眠が安定している状態ともいえます。

途中覚醒が少ない

夢の記憶は、レム睡眠中または直後の覚醒と密接に関係します。夜間に目が覚める回数が少ない人ほど、夢を思い出す機会は減ります。

特に、目覚ましが鳴る直前が深いノンレム睡眠だった場合、夢の記憶はほとんど残らないことがあります。

起床後すぐに活動を始めている

夢の記憶は短時間で消失しやすいとされています。起床後すぐに立ち上がる、光を浴びる、会話をするなどの行動を取ると、脳は急速に覚醒状態へ移行し、夢の内容は忘却されやすくなります。

そのため、「夢を見ない人」は、実際には「夢を覚えている時間が極端に短い人」である可能性があります。

夢への関心が低い

夢の記憶保持には、注意や関心も関係します。夢の内容に意識を向ける習慣がない場合、脳はその情報を重要と判断せず、保持しにくくなります。

逆に、夢日記をつけるなどの習慣があると、夢想起の頻度が高まることが報告されています。

このように、夢を覚えていないこと自体は異常とは限りません。重要なのは、日中の眠気や疲労感があるかどうかです。夢の有無よりも、睡眠が十分に回復的であるかを基準に考えることが大切です。

夢をよく見るのは睡眠の質が悪いサイン?

十分に寝たつもりでも、体が重くスッキリしない状態

「毎日のように夢を見るのは、眠りが浅いからではないか」と不安になる方もいます。

しかし、夢を見ること自体は異常ではありません。レム睡眠は健康な睡眠の一部であり、記憶の整理や感情処理に関わる重要な段階とされています。問題になるのは、夢を見ることではなく、睡眠が分断されているかどうかです。

レム睡眠は正常な生理現象

成人では、睡眠時間の約20〜25%がレム睡眠とされています。これは自然な割合であり、夢を伴うことも通常の生理反応です。夢を見る=睡眠の質が悪い、という単純な関係ではありません。

注意すべきは「頻繁な覚醒」

夜間に何度も目が覚める、朝方に何度も覚醒するなど、睡眠が分断されている場合は注意が必要です。

このような状態では、レム睡眠中の覚醒が増え、夢を強く覚えていると感じやすくなります。同時に、深い睡眠が不足し、日中の眠気や疲労感につながることがあります。

悪夢が続く場合は医療相談が必要なこともある

強い恐怖や不安を伴う悪夢が頻繁に続く場合、睡眠障害やストレス関連の問題が背景にある可能性があります。週に複数回の悪夢が長期間続き、日中の生活に支障が出ている場合は、医療機関への相談が推奨されます。

まとめると、夢を見ること自体は自然な現象です。判断の基準は、「夢の有無」ではなく、「日中に十分な回復感があるかどうか」です。

夢の頻度が気になる場合は、睡眠時間・寝る前の習慣・夜間覚醒の有無など、睡眠全体の質を見直すことが重要です。

年齢による夢の違い

夢の感じ方や覚えやすさは、年齢によっても変化します。

睡眠は一生を通じて同じ構造ではなく、成長や加齢に伴ってレム睡眠とノンレム睡眠の割合が変わります。その結果、夢の体験頻度や記憶の残りやすさにも違いが生じます。

乳児期はレム睡眠の割合が高い

新生児や乳児では、総睡眠時間の約50%がレム睡眠とされています。

脳の発達が著しい時期であり、レム睡眠は神経回路の形成や発達と関連していると考えられています。そのため、乳児は夢様活動が多い状態にあるとされています。

成人では約20〜25%がレム睡眠

健康な成人では、睡眠時間の約20〜25%がレム睡眠です。

加齢に伴い総睡眠時間はやや短くなり、深い睡眠(N3)は減少傾向を示します。一方で、レム睡眠の割合は大きくは変わらないものの、夜間覚醒が増えることで夢を覚えやすくなる場合があります。

高齢になると睡眠が分断されやすい

高齢期には、睡眠が浅くなり、夜間の覚醒回数が増える傾向があります。

そのため、「夢をよく見る」と感じる方もいれば、逆に記憶保持が低下することで「夢を見なくなった」と感じる方もいます。

夢の感じ方は、レム睡眠の割合だけでなく、覚醒パターンや記憶機能の変化にも影響を受けます。

このように、夢の頻度や印象は年齢とともに変化します。夢の有無だけで睡眠の良し悪しを判断するのではなく、年齢に応じた睡眠の特徴を理解することが重要です。

夢を覚えにくくする方法はある?

睡眠時間と体内時計のイメージ

「できれば夢をあまり覚えたくない」「悪夢で目が覚めるのを減らしたい」と感じる方もいます。

夢そのものを完全にコントロールする方法は確立されていませんが、夢を“覚えにくくする”方向に働く生活習慣はあります。ポイントは、睡眠を安定させ、夜間の覚醒を減らすことです。

起床後すぐに光を浴びる

夢の記憶は非常に不安定で、起床後数分以内に薄れていきます。

目が覚めたらカーテンを開けて自然光を浴びる、照明をつけるなどして覚醒を促すと、夢の内容は保持されにくくなります。脳が覚醒モードへ移行すると、夢の短期記憶は急速に消失します。

睡眠を分断しない環境を整える

夢を強く覚えてしまう背景には、レム睡眠中の覚醒が関係しています。

寝室の温度・湿度を整える、就寝前のカフェイン摂取を控える、就寝直前の強い光やスマートフォン使用を避けるなど、夜間覚醒を減らす習慣は有効です。睡眠が連続的であれば、夢は記憶に残りにくくなります。

深い睡眠を確保する生活リズム

深い睡眠(N3)は入眠後の前半に多く出現します。就寝時刻が不規則であったり、睡眠時間が不足していると、睡眠構造が乱れやすくなります。

毎日同じ時刻に就寝・起床すること、十分な睡眠時間を確保することは、深睡眠の安定につながります。

夢を減らすことを目的にするのではなく、睡眠全体の質を整えることが結果的に夢の印象を弱めることにつながります。

重要なのは、「夢を消す」ことではなく、「睡眠を安定させる」ことです。
夢の頻度が気になる場合でも、まずは日中の眠気や疲労感が改善しているかどうかを基準に考えることが大切です。

まとめ|夢の違いは「見るかどうか」ではなく「覚えているかどうか」

睡眠時間のポイントまとめ

夢をよく見る人と見ない人の違いは、夢の発生頻度そのものではなく、「覚醒のタイミング」や「睡眠の深さ」によって説明できます。

健康な成人であれば、レム睡眠は毎晩出現します。つまり、多くの場合は夢を見ていないのではなく、記憶に残っていないだけです。

夢をよく覚えている人には、次のような傾向が見られます。

  • レム睡眠中または直後に目が覚めやすい
  • 睡眠が浅く、途中覚醒がある
  • ストレスや感情刺激が強い状態にある
  • 起床後すぐに活動せず、夢を思い出す時間がある

一方で、夢をあまり覚えていない人には、以下のような特徴があります。

  • 深い睡眠が安定している
  • 夜間の覚醒が少ない
  • 起床後すぐに行動を開始している

重要なのは、「夢を見るかどうか」ではなく、「日中に十分な回復感があるかどうか」です。

夢の頻度が多くても、日中に強い眠気や疲労がなければ、直ちに問題と判断する必要はありません。逆に、悪夢が頻繁に続く、夜間覚醒が多い、日中の集中力低下がある場合は、睡眠全体の質を見直すことが必要です。

夢は睡眠の一部であり、自然な現象です。気になる場合は、夢そのものよりも、睡眠時間・生活習慣・ストレス状態など、睡眠全体のバランスに目を向けることが大切です。

出典・参考資料

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